１０年弱、大学病院、総合病院の皮膚科において勤務してまいりました。

研修医のとき、私の恩師が患者さんの皮膚を見て、患者さん自身が気がついていなかった糖尿病を言い当てるということがあり、大変驚いたことを覚えています。またあるときは、原因のわからない発熱で入院されていた患者さんの、皮膚の組織をとって調べることによって、血管内リンパ腫を診断し、内科のドクターを驚かせたということもありました。皮膚は、ただ単に表面に存在するものではなく、実は、さまざまな免疫機能をもった人間の最大の臓器であり、時には全身の状態をあらわすことがあることを実感し、皮膚科の奥深さを実感してまいりました。

一方で、皮膚にトラブルがあり受診された高齢の男性が、再診の際に、たくさんある顔のしみのひとつを指差して、「このしみはなんとかなりませんか？」とお尋ねになることがしばしばありました。当初はとても意外に感じられましたが、このようなことは皮膚科ではごく日常的なことなのです。「できる限りきれいにいたい」という気持ちは、女性だけのものではなく、年齢、性別は関係ない、つまり美容皮膚科のニーズは、女性だけを対象とするものではないと私は考えております。

皮膚科は、生命に関わる疾患から、日常的な、疾患とは言いがたい美容的なことまで、非常に幅広く、それぞれの患者さんに応じた治療が必要だと感じております。それぞれの患者様のニーズにこたえられるべく、一般の皮膚科から美容的な分野まで、適切な治療、指導ができるクリニックを目指しております。そして、皆様のお肌の悩みが解消し、少しでも毎日を楽しく過ごせるようなお手伝いができるように、医師として最善をつくすことが、私の診療理念です。